キャロット2022 厳選10頭

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参考記事:【募集時の評判馬は走ったのか?】【未来のクロノジェネシスを探せ!】【Our Bloodの基準】

久々の投稿です。
昨年も【キャロット2021 厳選14頭】、一昨年も【キャロット2020 厳選14頭】という記事を書きましたので今年も。でも14頭って多いよな…ということで厳選10頭にしました。

で、厳選された馬は走ったのかよ?ということになりますが、菊花賞に出走予定のセレシオン(クルソラ2019)、全日本2歳優駿3着のプライルード(アンソロジー2019)、プリンシパルS5着グランディア(ディアデラノビア2019)、新馬勝ちのラヴェル(サンブルエミューズ2020)などが出てはいます(どれにも出資していない)。

はっきり言ってキャロットは低迷期に突入しているように思える。春先のG1で人気を裏切り続けたのも記憶に新しいが、現3歳世代は勝ち上がり率が50%を切った。これはクラブとして5年ぶりのことだが、当然5年前よりも募集価格は大きく上昇している。そして現2歳世代も21頭がデビューして勝ち上がりは僅かに2頭である。何が悪いのかは分からないが、成績が下降線であることはデータが示す通り明らかである。奮起を期待したい。

個人的にも現3歳世代は苦戦した
キャロットは4頭いたが、中央勝ち上がりを決めたのはシャルールの息子トランキリテだけである。その彼も1勝クラスで大敗続きの現状だ(期待はしています)。ジェネラルウィルは最速で脱北しながら、ついに勝ち上がれずファンド継続で地方転出となった。この世代は地方転出が非常に多い。ローゼシュティアやミッテルラインのような戦績でファンド継続というのは余り記憶にない。

そしてバツ1を行使したエース、フォアランナーくん。彼には参った。素晴らしい馬体と感じ、勝ち上がりは疑う余地も無かったのが…蓋をあけてみると驚くほどに「鈍足」だったのだ。「雄大」「雰囲気がある」と言えば聞こえはいいが、実のところ「モッサリの極み」のような競走馬だった。フォアランナー(ハービンジャー×タニノギムレット)の走りと血統を見ていると、やはりある程度濃いサンデーサイレンスの血に出資したくなる。日本競馬にはスピードが不可欠である。でも良く頑張って8戦もしてくれた。お疲れ様。

悪いニュースばかりではない。
ジュビリーヘッドファーストフォリオが頑張ってくれているし、モントライゼが葵S以来、実に1年3か月ぶりに掲示板を確保したのだ。差しに脚質転換して結果が出たことは素直に喜ばしい。まだ4歳である。頑張って欲しい。

では独断と偏見による今年の厳選10頭(募集総数93頭)をご紹介。

ロスヴァイセの21 →「ジークルーネ」
【父キズナ/栗田徹T/3200万円/19.9cm/421kg 母優先対象】
キズナ×シンボリクリスエスはソングライン、アカイイトと同じ強力な配合。特にSSの3×4を内包しソングラインとはよく似ている。毛色もあるがパッと目につく綺麗な身体。調教師もタイトルホルダーでかなり経験値を積んだはず。

シャイントレイルの21 →「トラジェクトワール」
【父モーリス/尾関知人T/4000万円/20.6cm/437kg 母優先対象】
個人的に敬遠してきたモーリスだが、活躍馬がそろそろ出揃った。ジャックドール、ピクシーナイト、ノースブリッジ、シゲルピンクルビーなど賞金上位勢はどれも母父が非SS系なのだ。本馬は母父ヴィクトワールピサなのでSS系ではあるが、ネオユニヴァースの系譜はパワータイプで典型的なキレキレSSタイプとは異なるので、モーリス産駒の好走傾向と合致するのではと思っている。

アンフィトリテⅡの21 →「トライデントスピア」
【父ダイワメジャー/田中博康T/5000万円/20.5cm/492kg】
ダイワメジャーらしく雄大な馬体で既に490k超え。同産駒の活躍馬ナックビーナス(母父More Than Ready)と似た配合だ。現在全国リーディング14位と急伸を遂げている若手厩舎。価格はかなり高いが、手堅く走ってきそう。

トータルヒートの21 →「ファーヴェント」
【父ハーツクライ/藤原T/7000万円/21.4cm/475kg 母優先対象】
ラストクロップのハーツクライからはこの馬。ハーツクライ×米国血統の成功パターン。トータルヒートの子は名門藤原厩舎に入り続けている。言わずもがな高額だが、大物感はある。

サトノオニキスの21 →「ブラックルチル」
【父エピファネイア/池江T/5000万円/20.0cm/442kg】
エピファネイア×ディープインパクトには菊花賞2着アリストテレスがいる。凋落がささやかれた池江厩舎だが、今年は現在リーディングトップに君臨しており、さすがの名門厩舎と言っていい。若干前さばきが硬く見えなくもないが、それでも魅力的な一頭。SSの3×4。

レーヴドゥラメールの21 →「レアリゼアンレーヴ」
【父エピファネイア/須貝T/4000万円/20.0cm/425kg】
エピファネイア×ロードカナロアには上位活躍馬がいないがエピファネイア×キンカメならデアリングタクト、クラヴェル、スカイグルーヴあたりがおり、そのどれもが牝馬だ。言わずと知れたレーヴドスカーの一族で、ファーストフォリオやクリダームで結果を出してくれていて個人的に信頼している須貝厩舎。SSの4×4。

ココシュニックの21 →「フェロニエール」
【父ドゥラメンテ/高野T/3200万円/21.0cm/487kg】
ドゥラメンテ産駒は2022がラストクロップなので今年はその1つ前の世代である。スターズオンアースという二冠牝馬がいて、土曜日の札幌2歳Sも牝馬ドゥーラが制した。ドゥラメンテ×フレンチデピュティにはダート馬バーデンヴァイラーがいる。好馬体。

ディアデラマドレの21 →「ログラール」
【父モーリス/松永幹夫T/6000万円/20.2cm/470kg 母優先対象】
SSの3×4。モーリス×キンカメにはOP馬アルビージャがいるし、全兄も新馬勝ちを決めている。とにかくハズレの少ないディアデラノビアの一族で、ここも当然期待は大きい。

ギーニョの21 →「エルサビオ」
【父レイデオロ/中内田T/5600万円/20.2cm/443kg】
レイデオロからはこの馬。レイデオロ自身はサンデーサイレンスの血を持たないダービー馬だが、産駒はSSの血を補完した方が確実に走ると予想している。ヒストリックスターの21も素晴らしい馬体だが、母系にもSSの血を持たずキレ不足の懸念がある。その点、本馬は母父SSで申し分なく馬体も厩舎も期待できる。

アピールⅡの21 →「レトリカル」
【父ダイワメジャー/高柳大輔T/2600万円/19.7cm/410kg】
ダイワメジャーからもう1頭、ペールエールの全弟を。4月生まれのぶんまだ小さいが、伸びしろはあるはず。厩舎的にはダートで期待されている可能性も。

今年は以上です。良い厩舎が多くて結構悩みました。
厩舎がなぜ大事かというと、調教師としての力量も当然なんですが騎手起用にも関わってくるからなんですよね。やっぱり上位厩舎は上位騎手とコネクションが強いです。

ハーツクライとドゥラメンテはもう打ち止めなので出資したい。
特にハーツはラストクロップ。堀厩舎のインクルードベティの21も気にはなりましたが、セレクトセールで誰も競らずラストクロップのハーツクライとしては非常に安い値で落札されたことがどうしても引っかかる。

あとはギーニョのところでも書きましたが、レイデオロにはSSの血が要ると思う。レイデオロ産駒は確かに見映えのする好馬体、でも好馬体とキレ不足は割と紙一重。リスグラシューの妹リリレフアなんかもかなり評判でしたが、SSの血を持たずどうかなと思っていたら結局全然キレが足りなかった。あとは「レイデオロの良駒はキャロットに」と決めつけるのも危ない。以前チェルヴィーノという馬が、クラブ唯一のリアルインパクト産駒として募集されたので「これはリアルインパクトの1番馬ってことだよな!?」と見ていましたが、蓋をあけてみると、リアルインパクトの1番馬はシルクで募集されたラウダシオン(チェルヴィーノと同じ誕生日!)だったというオチでした。

まだまだ悩みますが、バツ1を行使して大本命を釣りあげたい。今の最大目標はダービーにゲートインすることなので、牡馬になるかなと思っています。

応募は自己責任で、自分が後悔しないと言い切れる選択を。
皆さんの幸運をお祈りします。


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