オッズに何を思う

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オッズを見て何を思うかは人それぞれでしょう。「この馬こんなに人気するのか…」「あれ、こんなに人気ないのか…」「すごく人気が割れている…」「この馬に大量投票が入ったな…」。中には「予想をする際にはオッズを見るな」という人もいます。

これは真でもあり偽でもある…オッズを加味しない予想は不完全であることを【競馬予想のABC】でも書きましたが、昨年の僕のようにオッズを見ることで競走能力の本質吟味を怠り人気薄ばかり狙うようになっては本末転倒です(それでも予想を完結させる上で「オッズを見ない」ということはあり得ませんが)。

さて今回は僕がオッズを見て何を思うかについて書いておきます。
先日の日経新春杯で、

と書きましたが、これについての補足です。オッズ構成について正しい感覚をもっていることは武器になります。たとえば日経新春杯のようなオッズ構成で時折耳にする「相当人気が割れてるな~これは荒れるぞ」という競馬オヤジの言葉ですが、これは大間違いです。まずはこれをはっきり認識することが重要です。

「1番荒れる」ケースは「一部の馬に人気が集中したオッズ構成」かつ「その人気馬が飛ぶ」パターンです。つまり人気が割れているオッズ構成を見て「荒れるぞ」と考えるのは基本的には間違いで、一部の馬に人気が集中しているオッズ構成を見て「(この馬が飛べば)荒れるぞ」と考えるのが正しい感覚になります。

さらに一歩踏み込んで考えます
日経新春杯と比較するために、同じ14頭立てである昨年の阪神牝馬Sを用意しました。まだ記憶に新しいかもしれませんが、ラッキーライラックが1.5倍の断然支持を裏切ったレースで、単勝オッズ構成は以下の通りです。阪神牝馬Sと比べて、日経新春杯はいわゆる「オッズが割れている」パターンであることがよく分かります。

ここで僕の主力である馬連について上位30番手までのオッズを見てみましょう。

2つのレース比較から見てとれる重要な事は以下の3点です。

  • 馬連1人気のオッズが低いのは阪神牝馬S
  • 馬連オッズが30倍を超えるのは阪神牝馬Sの方がかなり早い(9番目)
  • 馬連万馬券は阪神牝馬Sの方が遥かに多い

さて、このオッズ構成を見れば僕が日経新春杯を「オッズが平たい」と評したイメージをつかんでいただけると思います。阪神牝馬Sの場合は、人気の集中している馬が存在することで、その馬絡みの馬連オッズは低くなるが、一方でその馬の絡まない馬連のオッズは高くなる(つまりオッズに大きく傾斜がつく)のです。日記新春杯のようにオッズが割れている場合はその逆で、オッズに大きく傾斜がつきにくい(つまりオッズが平たくなる)のです。

オッズの全体像についてはシーソーのようなイメージを持つと分かりやすいです。ドカンと片方に人気が集中すれば、全体のバランスを保つために反対側のオッズが跳ね上がります。あまり人気が集中しなければシーソーの傾きは緩やかに、地面と平行に近づいていくわけです。ちなみに上位30番手で区切っている理由は、自分の狙う(当たる)オッズのほとんどがこの範囲に収まるからです。

さらに1人気絡みの馬連オッズを灰色に塗りつぶしてみましょう
これは僕の「1人気を切る」アプローチでは買うことのない買い目です。

阪神牝馬Sでは上位11位までの買い目が全て消えますが、日経新春杯では上位がごっそり消えるというよりは歯抜け状態に近く、15倍前後といった比較的安いオッズの買い目も残っています。1人気を消しているにも関わらず、です。

「1人気を切る」という単純なアプローチを導入した場合、明らかに阪神牝馬Sの方が高配当が期待できる(馬券が組みやすくなる)ことが分かると思います。一方で日経新春杯は1人気を切ったところで必ずしも高配当が期待できません。これを言い換えると、日経新春杯のようなオッズ構成は、阪神牝馬Sのようなオッズ構成に比べて、もし1人気が飛んだとしても馬券的な旨味に乏しいということになります。

それゆえ僕は基本的にオッズが平たいレースは買いません。「1人気を切る」というアプローチの活躍しづらい下地があるからです。このようにオッズ構成を自分なりに解釈してどのような馬券が狙いやすそうなのかをイメージできれば、適切なレース選択につながっていくはずです。同じオッズが平たいレースであっても、たとえば1人気にドカンといくようなタイプの人にとっては美味しいはずですからね。でも僕の予想スタイルには向かない。レースはいくらでもあるんです。自分に合ったレースを絞り込んでいきましょう。


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