安田記念 2020

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参考記事:【Winning FIVEの復権】

デアリングタクトに続き、コントレイルも無敗の二冠を達成。【飛行機雲への刺客】で取り上げた2頭はビターエンダーが躓いて先行できず、コルテジアは見せ場のある競馬をしてくれました。そして「ノースヒルズ陣形」はインパクトがありましたね。しっかり前で蓋をしてスローに落とす。こうなればコントレイルの独壇場でした。

ただ、デアリングタクトは脚質的に京都2000mへ不安を残しますし、コントレイルは本当にスタミナを問われる展開へ不安を残します。両者がともに三冠を達成できる可能性はそう高くはないと思っているので、秋に必ず(馬券的に)一矢報いたいと思います。

安田記念は豪華メンバーですが、その中でもシルクレーシングが抜けた存在です。現役最強馬アーモンドアイとマイル絶対王者インディチャンプ。昨年はインディチャンプに軍配が上がりました。インディチャンプは秋のマイルCSでもダノンプレミアムに完勝しマイル絶対王者に輝きましたね。

アーモンドアイはヴィクトリアマイルで圧巻のパフォーマンス。今回は相手が格段に強くなりますから、ヴィクトリアマイルよりは逆らいやすくなります。2011年のヴィクトリアマイルでアパパネがブエナビスタを退けて優勝した時に、安田記念も中心不動だろうと確信したのですが結果は6着と不可解な凡走をしました。それ以降「牝馬同士のパフォーマンスを、そのまま牡馬混合のパフォーマンスに置き換えることは絶対にできない」と心に刻みました。アンカツ流に言えば「流れや時計が同じでも、道中に受ける『圧』が違う」ということになるでしょうか。

【近年の連対馬6頭】

見ての通り、波乱傾向にあるG1です。モーリスやアーモンドアイが負けているという事実は競馬に絶対はないということをよく表しています。

脚質やローテもバラバラです。アエロリットロゴタイプのようなリピーターがいることや、ステップレースで負けている馬が大半(モーリス以外)であることが目に付く程度。

サトノアラジンモズアスコット前走14で追い込みきれず敗退していた馬です。今年はケイアイノーテックが該当します。ケイアイノーテックは昨年の安田記念でも0.4秒差ですから間違いなく東京マイルの適性が高いとは思いますが、勝負に関係のない後方で脚を使っていただけの印象は拭えませんね。

なお、今年は京王杯SCからのエントリーが非常に多くなっています(ケイアイノーテック、ストーミーシー、セイウンコウセイ、タワーオブロンドン、ダノンスマッシュ)が、近4年で13頭がエントリーし、連対したのはサトノアラジン1頭のみです(サトノアラジン自身は前年の安田記念で0.2秒差4着の実績があった)。死のローテとも言えそうで、今年も中心は別路線になるでしょう。

【凡走した上位人気馬】

人気を集めながら(=客観的には買い要素があったにも関わらず)凡走した馬を見ていきます。

大阪杯からの臨戦はことごとく凡走しています。
今年はダノンキングリーが該当します。安田記念で二度も人気を裏切ったリアルスティールとイメージが重なる部分もあり、ここは適舞台ではない気がしています。

マイラーズカップの勝ち馬も凡走が多いです。これは単純に、京都マイルと東京マイルでの求められる適性の相違によるものだと思いますが、そもそもインディチャンプは両G1を優勝していますからこの議論はナンセンスでしょう。

【今年の上位人気馬】

アーモンドアイは現役最強馬と言って差し支えないだろう。操縦性も高く特にケチをつけるところは見当たらないが、強いて言えば間隔を詰めることがマイナスに出やすい馬だけにこのローテがどう響くか。

インディチャンプはマイルの絶対王者。特に昨秋のマイルCSはダノンプレミアムに対して追い出しを待つ余裕があり、着差以上の圧勝だった。ただしこの馬はスタートが不安定。昨年の東京新聞杯のような競馬になれば、この相手では厳しくなるだろう。

グランアレグリアは高松宮記念からの臨戦。2000年以降ではアドマイヤコジーンとロードカナロアが、この臨戦で安田記念を制している。2頭とも一介のスプリンターではなかったが、この馬も一介のスプリンターではなさそうではある。休養後2戦の決め手は異色だし、3歳春とは馬が違う可能性は否定できない。

ダノンキングリーは怪我明けの戸崎に戻って差しへ戻るだろう。大阪杯→安田記念が鬼門ローテとなっているように、人馬ともにマイルG1の流れに乗れるかは疑問が残る。

ダノンプレミアムはついに川田を降ろした。しかし厩舎の特性か馬の特性かは不明だが、休み明けの方がパフォーマンスが高い。4月のG1でしっかり仕上げたであろう後の帰国初戦をどこまで信用していいものか。

アドマイヤマーズはマイルG1でグランアレグリアに2戦2勝ながら、おそらくグランアレグリアより人気は無いだろう。テン乗りの川田であること、叩き良化型であること、ドバイ中止の影響が不明であること…などと不安要素は確かに尽きないが、仕上がってさえいればやれても。

【考察】

今年は京王杯SCからスプリンターが多数出走してくるようで、締まった流れになると読みます。上位人気が予想されるグランアレグリア、ダノンキングリー、ダノンプレミアムあたりの2歳時から活躍しているディープは総じて「軽く斬れる」タイプだと思っていて、ある程度締まった流れになるとステイゴールド(インディチャンプ)、ダイワメジャー(アドマイヤマーズ)、ハービンジャー(ノームコア)らの方がパフォーマンスを上げると思います。

【注目馬】

☆インディチャンプ
★ノームコア


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