サラバ、人気馬たちよ 後編

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参考記事:【サラバ、人気馬たちよ 前編】【オッズに何を思う】【競馬予想のABC】

【前回の記事】の続きです。
前編の要点を簡潔にまとめると「長期的に競馬で勝つには『大きく勝つ機会』を必ず要し、その機会を作る最も簡単な方法は『人気馬を消す』ことだ」というものでした。

今回は「人気馬を消す」とどうなるかを具体的に見ていきたいと思います。ここでは武豊擁するダイアトニックが1人気を背負って大敗したキーンランドカップを例に挙げます。なぜか?もちろん的中したからですね

僕の本命は2人気☆ライトオンキューで、相手5頭は5人気エイティーンガール、6人気ダイメイフジ、8人気ビリーバー、10人気イベリス、12人気カッパツハッチでした。見ての通り1人気ダイアトニック、3人気フィアーノロマーノは切っていました。

オッズ構成は以下の通りでした。

ここで12人気カッパツハッチを買わずに3人気フィアーノロマーノを買っていたら払い戻しがどうなっていたか考えてみましょう。冒頭で述べた「人気馬を消す」ことで、払い戻しがどう変化するのかを具体的に計算します。カッパツハッチを加えた僕の買い方を【パターンA】、フィアーノロマーノに変更した買い方を【パターンB】とし、購入総額を4000円に設定し合成オッズに従い各購入額を決定しました。

パターンAとBにおいて買い目の違いは緑色でハイライトした部分だけですが、「人気馬を消す」ことの大きな意味はむしろその2頭以外に存在すると言ってよいでしょう。このレースは馬連の相手としてエイティーンガールが来たことで、パターンAとBどちらでも馬券を的中することができました。しかしパターンAの払い戻しは【23.9倍×1400円=33460円】に対して、パターンBの払い戻しは【23.9倍×1000円=23900円】にとどまります。これは赤字で示した合成オッズの違いにも表れていますね。

人気馬を消すことで代わりに加えた穴馬が好走するかどうかだけが「人気馬を消す」意味ではないのです。つまり、加えた穴馬が好走しようが凡走しようが「人気馬を消す」ことができた時点で「その他の馬すべての想定払い戻しの底上げが達成されている」ことが大きな意義となるのです。別の表現をすれば、人気馬はオッズが安いがゆえに多くの予算を割かなければ十分な払い戻しを得ることができず、結果として他の馬に回すことのできる予算が減ってしまうという事態に陥るのです。「そら人気馬を消せば払い戻し額は上がるでしょ」という漠然とした感覚だけでは不充分です。「人気馬を消す」という行為は、買うか買わないかの当落線上にいる馬の好走凡走だけに関わる行為ではなく、買い目全ての払い戻し額向上につながる行為であるということを強く意識しましょう。

最後に「人気馬を買っても高い的中率を維持すれば勝てるでしょ(大きく勝つ機会が無くとも小さな勝ちを永続的に続けられれば勝てるでしょ)」と思う人へ。
例えば誰が見てもまあ勝つだろうと思える存在であろう単勝1.2倍以下の馬を買うとします。このような単勝を買い続けてプラス収支を計上するためには的中率が83.3%以上必要です。最近5年に単勝1.2倍以下の馬は19頭いましたが、4頭が敗れ去っており勝率は79%でした。つまりこのような馬を均等に買い続けて勝つことは不可能ということです。

これは確かに極端なケースかもしれません。しかし競馬は「皆さんが思っているより遥かに『絶対は無い』」が僕の持論です。
人気馬にサラバを告げて大きく勝つ機会を模索しませんか?


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