穴馬の資格

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あけましておめでとうございます
今年は中山金杯で2020年初購入初的中を達成、好発進です。レース回収率も947%と上々でした。青学の復活優勝だから青枠決着という声を聞きましたがチームカラーはフレッシュグリーンですけどねえ。三浦は関東のエースとして飛躍の年になりそうだったのに来週のアヌラーダプラにも乗れないし本当に運に見放されていますね…

金杯はそもそも当てた記憶がほぼ無いのですが、個人的に今でも覚えているのが2014年の京都金杯。僕の本命は3人気マイネルラクリマで、かなり自信のあったレースです。良い先行力を持っていて、そもそも2年前には京都金杯を快勝している馬です。しかしゲートが開いて柴田大は、スタートも悪くないのにどんどん位置取りを下げて後方3番手までいき、そこから大外を回してくるという衝撃的な騎乗を披露したのです。僕は当時本当に唖然として言葉が見つかりませんでした。自信満々に馬券を買い込んでいたので尚更です。後にも先にもあれほど心に刻みつけられた駄騎乗はありません。ちなみにレースはマイネルラクリマとほぼ同じ位置にいながら直線縫うように内を捌いて突き抜けたエキストラエンドが6人気の低評価を覆して快勝。鞍上はルメール、結局そういうことなんです。なお、今でもマイネルラクリマと検索すると「マイネルラクリマ 八百長」という検索候補が上位に出てくるのはこのせいでしょう。それくらい衝撃的でした。

さて、今回は「穴馬の資格」について書きます。「穴馬」…それはとても甘美な響きです。高配当の使者でもあり、狙った穴馬が来たときの高揚感は何にも代え難いとさえ思います。しかし闇雲に人気薄を狙えば良いというものではありません。
昨年の芝重賞で2桁人気ながら馬券に絡んだのは30頭。自分なりの解釈を加えて見ていきます。

このうち先行していた(道中5番手以内で運んだ)馬は15頭です。ちょうど半分ですが、レースの平均出走頭数が16頭であったことを考えれば、半分もの穴馬が5番手以内で運んでいたというのは明らかに偏りのある結果です。

また、30頭のうち1枠1番の馬が5頭もいます(シンザン記念10人気2着マイネルフラップ、小倉大賞典14人気3着サイモンラムセス、フィリーズR12人気1着ノーワン、阪神大賞典10人気3着ロードヴァンドール、東京優駿12人気1着ロジャーバローズ)。特にノーワンは差しての同着優勝でしたが、1番枠を生かした見事な最内強襲でした。ここには含まれませんが、高松宮記念で17人気3着と超大穴をあけたショウナンアンセムも最内を強襲してのものでしたね(7番枠のショウナンアンセムが最内を強襲すると予想するのは不可能ですが…)。この1番枠の出現頻度も明らかに偏りと言えるでしょう。最内をロスなく回って大穴演出というのはよく知られたパターンです。

僕自身は本やブログで何度も何度も「競馬は基本的に先行馬が有利、内枠が有利な競技」と強調してきました。それはつまり、力量の劣る馬でもそのメリットを享受できれば上位争いの可能性が出てくるということを意味します。2桁人気の低評価を覆して激走した馬の半分が先行馬であったことや、1枠1番の出現頻度の高さは僕の強調してきたことを支持する内容だと感じます。「この馬が大外から飛んでくるんじゃないか」そんな助平心よりも「先行馬や内枠に目を向ける」ことを心がけるだけで、穴馬の抜擢効率は遥かに改善されると思います(当たり前ですが、大外強襲の穴馬も存在します。阪急杯11人気1着スマートオーディンやNHKマイルC14人気2着ケイデンスコールらが思い浮かびます。しかし穴馬は明らかに先行馬からの出現が多いことを抑えておくべきです)。ちなみにダート重賞を省いている理由はサンプル数が少ないのと、特筆すべき偏りが無かったからです。

さっそく2020年の両金杯でも、中山で1枠1番のテリトーリアルが11人気3着、京都で先行馬のボンセルヴィーソが14人気3着と上記事項を踏襲した結果が出ています。先行馬はパッと目につく末脚を持たないので地味であり、どうしても軽視されがちなんです。しかしこれだけ穴をあけているという事実がある。「穴馬の資格」をもつのはどの馬か…今年も効率よくピックアップしていきたいですね。


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