JRA-VANデータラボのトライアルキットを開封しました。
無料トライアルキットには「データラボの1ヶ月無料利用権+競馬予想ソフト5本」が含まれます。競馬予想ソフトの最たるものが「TARGET」ですが、これはそもそも無料で使用できます。ただしTARGETはデータラボのデータを分析するツールなので、データラボの使用ができなければ意味がなく、その使用が有料であるという仕組みになります(TARGETだけ持っていても意味がない)。
早速TARGETを使ってみましたが、結論から言うと「面白い」です。「こんなデータとったらどうなるのかな~」と思うようなデータは大体抽出することができます。
TARGETで抽出できるデータの一例をあげておきます。
新馬戦に強い血統を調べたい
ブリンカーの着脱による成績を調べたい
特定の調教師について、起用した騎手別の成績を調べたい
前走2着馬の成績を調べたい
1番人気が馬券に絡まなかったレースで活躍している騎手を調べたい
このようなものが抽出できます(競馬予想への有用性はおいておきましょう)。
ただ、面白いんですがそれなりのレース数を予想する人でなければ宝の持ち腐れになる可能性が高いと感じます。僕も「このような条件での好走傾向ってどうなのかな?」といくつか気になっていたものを調べましたが、その作業自体は数日で終了します。確かにデータは毎週アップデートされますが、そこまでの詳しいデータを僕は扱いません。
たまに気になることを調べるくらいで2090円/月を継続するかは非常に微妙なところですね。データ収集だけでなく、自分の予想印やコメントも保存できるので、使いこなしていけば十分に見返りは得られると思います。
あとは前も書きましたが「データの解釈」が一番大事ですね。予想に使えそうな傾向が抽出できたとして、その傾向は何が原因と考えられるのか自分なりに解釈することが予想力アップにつながります。データを鵜呑みにしてはいけません。たまたまそうなっていただけ(=今後には使えない)データはできる限り排除したいですからね。
せっかくTARGETをさわったので使えそうなデータを少し載せておきます(集計期間はすべて近3年)。
*【芝、良馬場、1人気の連対率】(3737レース)
1200m 46.3%
1600m 53.8%
2000m 55.5%
→明らかに1200mにおける1人気連対率は低い。咄嗟の判断が致命的になる距離のため紛れが増えると考えられる。
*【芝1200m、良馬場以外、1人気の連対率】(178レース)
1200m 47.2%
→馬場の渋化でも1人気の連対率が極端に落ちるわけではない。渋馬場の巧拙によって予想のハードルは上がるため無理に勝負をする必要がない。
*【芝、良馬場、平均馬連配当】(3737レース)
1200m 6057円
1600m 4510円
2000m 4466円
→馬連の配当も明らかに1200mで高い。人気馬の好走率が下がった結果である。
⇒超競馬考でも触れた「1人気を切る(波乱を狙う)ならスプリント戦であろう」という推察を支持するデータと言えそうだ。
ちなみに1人気のクラス別成績はこうなっています。
新馬/未勝利で明らかに好走率が高くなっています。これは新馬/未勝利というクラスが、後のG1馬と中央未勝利引退馬が一緒に走る唯一のクラスであることに理由を求められます。実力差が大きくなりやすく、紛れが減るからでしょう。上級クラスとは違い、好走する可能性が万に一つも無い馬が多数出走しているという言い方もできます。
興味深いのはG2における1人気馬好走率の異様な高さ。
確かになんとなく「G2は堅い」というイメージがあるものの理由をうまく説明できません。G1の前哨戦と考えれば、権利を獲りたい格下馬vs叩きに徹する格上馬の構図が予想され、決して人気通りに決まらないような気がするからです。しかし事実として1人気は高い好走率を誇る。こういうデータの扱いが一番難しい…
最後にマイルCSに使えそうなデータを(2016~2018年)。
これはスワンSをステップとした馬の一覧です。
スワンSをステップとした馬は11頭と、富士Sに次いで多い臨戦ですが連対率は0%です。見ての通り、人気馬も含まれているにも関わらずです。
スワンSとマイルCSは非常にリンクしにくいと言えそうですが、これは意味のあるデータでしょうか?僕はあると思います。おそらくコース形態(レースラップ)やレース間隔によってリンクしにくくなっていると推察できます。
スミヨンが乗るとはいえダイアトニックは積極的に買える馬では無さそうですね。