高松宮記念 2020

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参考記事:【Winning FIVEの復権】

世はコロナでてんやわんやですが、競馬も例外ではなく無観客が続いています。
また、ドバイワールドカップデーが直前になって結局キャンセルされるという顛末を迎え、人馬ともに大きな狂いが生じています。アーモンドアイなんかはそもそも体質が強くありませんから、ただドバイまで往復しただけ(しかもレースに向けて仕上げていた)となれば、非常に痛手と言えるでしょう。

騎手の玉突きも起きていて、ダノンスマッシュで中央初G1奪取へ燃えていた三浦皇成騎手は、主戦の川田騎手がドバイ行きキャンセルとなったことで降板に…。様々な媒体でインタビューまで受けていたのに、三浦騎手としては非常に無念でしょう。

そんな中ではありますが桶狭間の電撃6F戦が開催されます。
1分少々の電撃戦で春のスプリント王を戴冠するのはどの馬でしょうか。

【近年の連対馬8頭】

まずは、どういう人気馬が人気に応えて好走しているのか見ていきましょう。

昨年の大波乱を除けば、人気決着となっています。唯一の人気薄セイウンコウセイも一昨年の覇者ですし、レッツゴードンキの連続好走もあるように舞台適性の高さが物を言うと考えられます。今年はミスターメロディこそ不在ですが、セイウンコウセイは再び駒を進めてきました。

ファインニードル、レッツゴードンキ、ミッキーアイルらはスプリンターズSでも好走しており、改修によって坂が設けられたことでスプリンターズSとのリンクは少し強くなったように思います。セイウンコウセイはスプリンターズSで惨敗続きですが、陣営が言うように左回り◎のタイプであり本馬の特徴に因るものでしょう。

脚質はどうでしょうか。
これははっきりと後ろの馬はノーチャンスと言えるでしょう。過去4年の連対馬はほぼ全て真ん中より前で競馬を進めた馬で、2017年のレッツゴードンキだけは後方から競馬を進めていましたが、道悪で皆が内を空けるなか最内を突くワープ走法で連に食い込んだものです。

ステップレースとしてはシルクロードSが毎年連対馬を輩出しています。しかし着順は不問で、上記8頭のうち4頭はステップレースで連を外しています。結果よりもしっかり叩いていることが重要かもしれません。なお今年はモズアスコットが特殊なローテで参戦しますが、2018年2着のレッツゴードンキもフェブラリーS5着からの参戦でしたね。

【凡走した上位人気馬】

人気を集めながら(=客観的には買い要素があったにも関わらず)凡走した馬を見ていきます。

「スプリンターズSとのリンクは少し強くなった」と書きましたが、スプリンターズS連覇のレッドファルクスが結果を出せていません。レッドファルクスは後方から豪脚を繰り出すタイプで、連対馬のほとんどが道中6番手以内である高松宮記念との相性は悪かったようです。直線が長い割に末脚に懸ける人気馬が買いづらいG1と言えます。

昨年のダノンスマッシュは悪くない競馬をして手応え良く直線を向きましたが、伸びきれませんでしたね。「少し外を回ったぶん」とコメントが出ていて、確かにあの決着を見るととにかく内を通ることが大きなアドバンテージになっていたように思えます。

モズスーパーフレアとメラグラーナはオーシャンSからの臨戦。オーシャンSは近年最多の出走頭数を誇るステップレースですが、2015年2着ハクサンムーンを最後に連対馬を輩出できていません。

【今年の上位人気馬】

タワーオブロンドンは昨秋のスプリント王。東京でも重賞2勝があるから左回りに問題は無いだろう。オーシャンSは3着に敗退したものの叩き良化型で、昨秋も出涸らしかと思うほど使われたが結果を出した。しかし今回はルメールが乗れず、テン乗りの福永。さらに脚質的にも後方が予想され、レッドファルクスのイメージがつきまとう。

ダノンスマッシュは昨年の走り自体は悪くなかったし、スムーズなコース取りができれば十分に勝負になりそう。中京1200mへの適性は十分にあると見る。相性の悪いオーシャンS組ではあるが、内容的には圧勝だったし、昨秋のスプリンターズSもタワーオブロンドンに上手く塞がれてワンテンポ仕掛けが遅れての3着。中京12は舞台好転だろうし、鞍上的にも昨年以上か。

グランアレグリアは初めてのスプリント戦。能力は明らかに非凡だし、良いスピードを持っていてむしろ合うまである。ただしテン乗りがどうか。初物尽くしで評価が難しい。ちなみに阪神カップからの直行で人気を集めた馬としては2018年のダンスディレクターがいて、4人気4着だった。

ダイアトニックは先行して阪急杯3着と新味を見せた。しかしスプリント戦自体は初めて。14がベストと思しきキャリアを積んできた馬で、果たしていきなりのG1で流れに乗れるかどうか。京都金杯からの3戦目で、前走470kまで馬体重を減らしていたのも気になる材料。

モズアスコットは芝ダ兼用のG1馬。しかしダートへ転向した流れを考えても、現時点で芝のスピードはそこまで抜けたものではない。この馬も初のスプリント戦だが、そもそも流れに乗れるかどうか自体が非常に怪しいと見る。鞍上デムーロでポジションをどこまで取りに行けるか。

アイラブテーラーは7戦して連外無しと驚異的な安定感で駒を進めてきた。鞍上も武豊でそれなりに人気を集めそうではあるが、京都と阪神しか走ったことのない馬で中京がどうか。持ち時計もかなり詰めなければならないし、普通に考えればここは敷居が高い。

【考察】

改修後の中京競馬場は最後の直線に登り勾配が設けられ、この度合いは中山競馬場に次ぐ坂となっています。直線も長いため、早めに後続が詰めてきやすいスプリント戦において特に逃げ馬に厳しいコースと言えるでしょう。

また、今年は週末にかけて雨が避けられない見通しで、良馬場での開催は無いと見ています。渋った馬場の巧拙は鍵になるでしょうね。
そうそう、先日に亀谷さんが道悪の巧拙について「道悪が得意な馬など存在しない。あるのは道悪にめげずに頑張れる馬か、気持ちが折れてしまう馬かだけ」というような主旨の主張をされていて「なるほど…」と思った記憶があります。他の馬よりも道悪を苦にしなければ、相対的に「道悪が巧い」という判定をされるだけで、道悪だから競走能力がアップしているわけではないというわけですね。確かにそんな気もします。

閑話休題。
今回、稍重で頑張れそうな馬は結構いて人気どころでもダノンスマッシュ、ダイアトニック、セイウンコウセイ、モズスーパーフレア、アイラブテーラー、アウィルアウェイあたりは稍重で勝ち星があります。馬場渋化で皆が切れ味を削がれれば、必然的に前にいる馬が有利になると思っています。

【注目馬】

☆ダノンスマッシュ
★セイウンコウセイ


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