皐月賞 2020

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参考記事:【Winning FIVEの復権】

桜花賞はデアリングタクトが3連勝で戴冠。力強い末脚でしたね。
あのパワフルさは確かに父エピファネイアを彷彿とさせるものでした。

松山騎手のガッツポースが印象的で「池添かよ!」と思いましたが、それもそのはず松山騎手は池添厩舎出身でしたね。アルアインに続いて中央G1は2勝目。土日重賞ジャックということで、次世代を担う若手筆頭株として頑張って欲しい。

エピファネイアは現3歳が初年度産駒で、初重賞がG1タイトルという偉業を成し遂げました。現役でも種牡馬でも同期のキズナが既に重賞4勝を記録していたので、大きく水を開けられていたわけですが、一気に巻き返した格好ですね。スカイグルーヴシーズンズギフトらも重賞に手が届くのではないでしょうか。

個人的には古馬G1を勝てていないキズナよりJCを圧勝したエピファネイアの方に思い入れがあるのでとても嬉しく思います。

【近年の連対馬6頭】

さて今週は牡馬の1冠目、皐月賞。
まずは、どういう人気馬が人気に応えて好走しているのか見ていきましょう。

見ての通り1人気の信頼度はかなり低く、比較的荒れるG1と言えます。
スパッと斬れるタイプではなくパワータイプの(地味な)馬が好走しやすく、キレキレの東京向きの馬が人気を集めやすい事情と相まって荒れる下地ができています。

例えばヴェロックスは5戦3勝で臨んできましたが、勝った3戦は小倉、阪神内、京都内、負けた2戦は阪神外、東京、と皐月賞への適性の高さを予見させる戦績でしたね。今年の現時点で明らかな小回り適性の高さを見せている人気馬はサトノフラッグでしょうか。

近年のステップレースは本当に様々で、弥生賞の勝ち馬はマカヒキだけです。ちなみにエポカドーロ(スプS2着)とサンリヴァル(弥生賞4着)を除く6頭は前走優勝馬です。今年で言えばきさらぎ賞を勝っているものの空気になりそうなコルテジアにも注意が要りそう。戦績や鞍上的にもアルアインと似通った部分を感じます。

いずれにせよ前走で34秒~35秒台で前目から頑張った馬が好走していて、前走33秒台の末脚を使っていたのは2016年2着マカヒキだけです。こういう地味な馬を探してみると、ダーリントンホールビターエンダーの共同通信杯直行組に目が行きます。このローテは結構好成績なんですよね(ゴールドシップ、イスラボニータ、ディーマジェスティら皐月賞馬の他に昨年3着のダノンキングリーもこのローテ)。

【凡走した上位人気馬】

人気を集めながら(=客観的には買い要素があったにも関わらず)凡走した馬を見ていきます。

ワグネリアンスワーヴリチャードといった、後に東京G1を勝つ馬が人気を裏切っているのは皐月賞の特徴を良く表しています。

また、ファンタジストジャンダルムオウケンムーンファンディーナカデナに言えることですが皐月賞までの活躍が嘘のように、皐月賞を機にスランプに陥ってしまうのです。これが皐月賞のせいでスランプに陥るのか、皐月賞の前にスランプに陥るのかは謎ですが、この時期から完成度の高さだけでは太刀打ちできなくなってくるのかもしれませんね。

特に波乱となった2018年(優勝馬エポカドーロ)では、ここに上げた人気馬3頭が全て「前走で先行していたのに本番では後方からの競馬」となっていました。これを予想するのは困難ですが、前哨戦で少数頭だったがゆえにポジションがとれていたが多頭数になることで序盤にもたつくというパターンはありそうです。特に今年は前哨戦が少数頭ばかりなので通過順を鵜呑みにはできませんね。やはりそうなると内が欲しいところ。

2016年のサトノダイヤモンドは降着となったリオンディーズの煽りを受けていました。この年の有馬記念を勝っていますし、中山が特に悪かったとは思えませんね。

【今年の上位人気馬】

コントレイルは3連勝でホープフルSを制した。まだまだ余裕があったが、内から好位をとれればそうなるだろうなという競馬。外を引いて差しにまわった時に福永でどうなるか。未知の部分も多いし、あくまで最大目標はダービーと公言されている(当たり前といえば当たり前だが…)。

サリオスも3連勝で朝日杯を制したG1馬。マイルにこだわって使われているが、この時期の中距離戦はマイラーでも通用する。逆にマイルで先行できているスピードは武器になる。朝日杯は差し決着の中、好位から突き放す圧巻の内容。春の最大目標をどこに置いているのか見えづらいのと、超大型馬だけに直行がどうでるか…

サトノフラッグは中山2000mで連勝。前々走の勝ち時計自体はコントレイルのホープフルSと同タイムだし、操縦性の高さは多頭数でも武器になる。ワーケアを物差しにすればここでも力量上位。

ヴェルトライゼンデは中山重賞で好戦を続けるがワンパンチ足りない。前に行ける脚も無いし、どうしてもなだれ込む競馬になりそう。頭が想像できない。

クリスタルブラックは2連勝で京成杯を制した。無敗馬である以上、人気がなければ買うべき存在だろう。しかし脚質的には狙いにくいし、これまで経験してきたレースペースを考えてもかなり置かれて勝ち負けに加わるには相当な前崩れが必要では。

【考察】

週末の天気ですが、土曜日は雨予報。日曜日は晴れる見通しですが、どの程度まで回復するのかは現時点で不透明です。最近、馬場が難しいですがギリギリまで見極めるしかありません。

前走逃げていたのはキメラヴェリテビターエンダーで、特にキメラヴェリテは淀みないペースで逃げ粘り、走破タイムも1:58.9ですから若葉Sレコードでした。阪神が時計の出やすい馬場であったとは言え、初芝であのパフォーマンスですから不気味ではありますね。なんとなくプロヴィナージュを思い出します。

ビターエンダーは逃げる格好にはなりましたが、9頭立ての稍重でしたからハナを切れるスピードがあるのかは謎ですね。陣営も「スタートは速くない」と前走前にコメントしていたようですし、逃げを期待するのは酷かもしれません。ウインカーネリアンラインベックあたりも前に行きそうです。コントレイルやサリオスも普通にゲートを出れば、後方にはならないんじゃないでしょうか。

今年は無敗馬が多くて予想しがいがありますね。上位人気ではコントレイルサリオスクリスタルブラックが無敗。実はレクセランスも無傷の3連勝なんですが、なぜか3戦とも手綱をとった川田が乗りに来ない。ブロック移動禁止になったことでおそらく阪神の有力馬を選んだカタチなんでしょうが、そうは言ってもさすがにG1ですから、勝負になると思っていれば乗りに来そうに思いますけどねえ…

【注目馬】

☆サトノフラッグ
★コルテジア


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