大阪杯 2020

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参考記事:【Winning FIVEの復権】

JRA職員の方にコロナ陽性が出ましたね。
接触の可能性がある騎手3人が乗り替わりということで、いよいよ競馬の現場コミュニティも危なくなってきました。これだけ自粛自粛の世ですから、無観客とはいえ週末の競馬に楽しみを見出している方も多いのではないでしょうか。

G1で盛り上がる5月の競馬施行が非常に危ぶまれる状況になりつつあります。収束を願うのみです。

さて、今週は2017年からG1昇格を果たした大阪杯。好メンバーが揃いました。

【近年の連対馬6頭】

まずは、どういう人気馬が人気に応えて好走しているのか見ていきましょう。

毎年のように下位人気が連まで届いています。
人気に応えた3頭はいずれも先行しており、直線半ばで先頭に立つ競馬をしています(スワーヴリチャードは出負けから捲ってハナを奪い押し切る競馬)。

穴をあけた馬はどうでしょう。
ステファノスアルアインはどちらも先行しています。ペルシアンナイトは上記6頭で唯一【差し】と言えるかもしれませんが、レース映像を見返してみると捲り合戦となった特殊なペースでジッと動かずに待機し、最終コーナーもロス無く回ることができ、直線を向いて追い出したときには自然と5番手の位置をとることができていました。

いわゆる外差しの競馬ではなく、連対馬6頭について外を回って差してきたと言える馬は1頭もいません。力のある馬達が内回りコースで争うため、いかにロスのない競馬をできるかを最重要視したいレースと言えるでしょう。

ステップレースはステファノス、スワーヴリチャード、アルアインと毎年連対馬を輩出している金鯱賞が優勢です。今年は勝ち馬サートゥルナーリアが駒を進めてこなかったので、金鯱賞からはロードマイウェイサトノソルタスの2頭のみがエントリー。1番枠と2番枠でロスのない競馬も叶いそうです。

【凡走した上位人気馬】

人気を集めながら(=客観的には買い要素があったにも関わらず)凡走した馬を見ていきます。

2019年のブラストワンピースは、スタート自体は悪くなかったものの外枠の先行馬が一気に内へ切れ込んできたため必然的に後ろの位置取りとなり、以降は外々を回し直線も大外。伸びてはいましたがロスが致命的となりましたね。

ブラストワンピースと同じように外を回ったペルシアンナイトも2019年は人気を裏切っています。確かに直線狭くなるシーンはありましたが、それ以前に外々を回ることで末を無くしていたように見えます。

2018年のサトノダイヤモンドシュヴァルグランはどちらもスタート後は良い位置につけています。しかし捲り合戦となったことでどんどんポジションが下がってしまい、結果的に直線で外を回らざるを得なくなったことで勝ち負けには加われていません。この年は出入りの激しい展開にはなりましたが、レースラップ自体は【36.5-34.1】とスローの上がり勝負となっており、例年以上に後ろの馬はノーチャンスでした。

2017年のサトノクラウンはここで凡走し、次の宝塚記念で国内G1初制覇を果たしています。レース映像を見返すと、大阪杯の好走パターンにも合致するロスの少ない理想的なレース運びでしたね。しかし最後に伸び負けています。この馬は古馬になって好走した重賞全てが上がりのかかるレースであり、SSの血を持たない血統背景からも推察できる通り自身の使える上がりに限界があるタイプだと思います。この大阪杯でも凡走という結果ではありますが自身は34.2で上がっており、力は出し切れたと見ています。

【今年の上位人気馬】

ダノンキングリーは戦ってきた相手を考えてもG1級であることは間違いない。鞍上も含めどの位置取りになるのか読みづらいが、内に行きたい馬が揃っているのでそれらを行かせて中団待機となるだろうか。そうなると外を回らざるを得ない可能性も。横山騎手は2016年の大阪杯をアンビシャスで制していて、その時はあっと驚く先行策でキタサンブラックを捉えてみせた。

ブラストワンピースは昨年の1人気馬。もともと超大型馬で外を走らせてノビノビという競馬を選択していたが、川田騎手に変わってからは内を割る競馬でも結果を出している。前走のレースぶりを見ても、この枠で川田騎手であればある程度ポジションを取りに行くはずで昨年のようなレース運びにはならないか。

クロノジェネシスの京都記念は圧勝と言っていい内容だった。秋華賞、京都記念とレース上がりのかかるレースを快勝していて、これは2017年サトノクラウンを想起させる。京都記念からの臨戦や、父/母父系にSSの血を持たない点も同じだ。12番枠のビハインドを跳ね返して差し切れるだろうか。

ラッキーライラックは外国人騎手が乗るようになって一皮むけたか。中山記念はいかにも叩きというレースぶりだったし、間違いなく状態を上げてくるだろう。エリザベス女王杯では強烈な末脚で新味を見せたが、デムーロでこの枠ならおそらくポジションを取りに行くだろう。あとは阪神内回り2000mへの適性がどうなのか。

【考察】

土曜日の明石特別(阪神内2000m)は直線早め先頭の10人気エイシンルカーノが2着、好位の2人気ショウナンバルディが優勝、差しに回った1人気アドマヤジョラスが3着と例年の大阪杯を想起させる決着となりましたね。例年通りのトラックバイアスと見て良いでしょう。

今年は出走頭数が12と少なくなりましたから、例年よりは大外枠の不利は軽減されるでしょうが、それでもゼロにはならないはずで内に越したことはないでしょう。

サトノソルタスやラッキーライラックはもちろん、ロードマイウェイやステイフーリッシュもスタートさえ決まれば前に行くと思います。こうなると後ろに展開が向きそうですが、少数頭なので結局は隊列さえ決まってしまえばそうペースは上がらず例年通り後ろの馬にはチャンスが少ないと思います。カデナやマカヒキは相当厳しいと思っています。

【注目馬】

☆ブラストワンピース
★サトノソルタス


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