キャロット3本の矢

先日、出資馬ファーストフォリオが新馬勝ちをおさめました。

現2歳世代は過去最多の出資頭数で個人的に非常に思い入れのある世代です。というのも、現3歳、現4歳と2世代続けて欲しい馬がほとんど獲れないという憂き目にあっていたからです。最優先のバツを2つ蓄えて、満を持して争奪戦に臨んだのが現2歳世代だったのです。

と言うものの実は現3歳世代のドラフト時から「今年はバツを2に増やして来年あの馬を確実に獲るぞ」と心に刻んでいた馬がいました。
それはライティア(シンハリーズの2017)です。

シンハリーズは言わずもがなキャロットの看板名牝であり、アダムスピーク、リラヴァティ、アダムスブリッジ、シンハライト、ミリッサと種牡馬を変えながら毎年のように活躍馬を輩出しています。
現3歳世代のドラフト時には「シンハリーズにディープインパクトの牝馬が産まれているらしい」という情報がありました。ディープ☓シンハリーズは全兄アダムスピーク、全姉シンハライトともに重賞馬ですから、「これは確実に走るだろうし、バツが無いと絶対に獲れないだろう」と1年前から先物予約の気分でいたわけです。

そして1年の月日が流れ…現2歳世代のドラフト。
募集馬ラインナップを見て、僕は「3本の矢」で迷っていました。

1本目の矢はもちろんシンハリーズ
1年待ちわびた相手ですから初志貫徹といきたいところでしたが「馬体重392kg、管囲19cm」を目にして「…ん?」となったのは僕だけではないはず。確かに全姉のシンハライトも小柄ではありましたがシンハライトは「馬体重411kg、管囲19.8cm」での募集です。ちょうど出資馬アストライア(ハープスターの2016、「馬体重385kg、管囲18.5cm」)が全く走りそうになかったこともあり僕の1年前の決意は揺らいだのです。

2本目の矢はリリサイド

この馬は3本の矢で最も人気があったと記憶しています。半姉リスグラシューも活躍していましたし、ロードカナロアもいきなり大物を輩出していましたからね。そしてサンデーの血を持たないので、繁殖入りしても期待できるというキャロットクラブ特有のメリットも大きかったように思います。数を使ってくれる矢作厩舎というのも素晴らしい。ただ、僕は周回展示の映像がいまいちピンと来なかった。

3本目の矢はシーザリオ

言わずもがなの看板名牝ですが、もともと出資するつもりは全くありませんでした。シーザリオの牝馬が走っていないことは常識ですし、キングカメハメハも明らかに牡馬>牝馬の種牡馬(いわゆるコルトサイアー)だったからです。さらに5月産まれ、角居→須貝厩舎。超がつく良血ですが、どちらかと言えば「地雷」として中間票も集まりませんでした。

以上の「3本の矢」でドラフト1位を悩みました。当時に聞こえてきた評判はリリレフア>ライティア≧ファーストフォリオ。ただ、せっかくキャロットに長年居て、バツ2を持っている…ここはどうしてもクラブが誇る黄金血統に出資してみたいという思いが強くなり、ライティアかファーストフォリオの二択に絞り、周回展示の映像でファーストフォリオが醸し出す良血特有のオーラ?にグッと来た僕は彼女をドラフト1位に指名したのです。ちなみに結果的にはバツ2でなくとも獲れる程度の票数でした。

そして2019年に無事3頭ともデビュー。ライティアとファーストフォリオはデビュー勝ちを飾っています。ちなみにシーザリオとシンハリーズは同期です。シーザリオはアメリカンオークスを制していますが、そのときの3着馬がSinghalese(シンハリーズ)なのです。現役時からのライバルが、今は共にキャロットの看板牝馬として再びしのぎを削っている…何ともすごい縁ですよね。こういうのが競馬の面白い所。

未勝利のリリレフアは着差こそ悪くないものの「追うと重心が高くなり頭が上がる」というコメントが厄介。僕もこのコメントの経験があるのですが、これは身体能力以前の問題です。矢作調教師がどう矯正していくのか期待して見守りたいと思います。

3本の矢が、来春に大きな花を咲かせてくれることを期待しています。


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