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参考記事:【Winning FIVEの復権】
モーリスがとにかく勝てません(ドゥラメンテも大して勝ってないけど)。
当然一か月で「失敗種牡馬」の烙印を押すことは早計に決まっていますが、それでもセレクトセールやらクラブ馬募集やらでモーリス産駒の購買意欲を増幅させたかったはずですから、ノーザンとしては間違いなく頭が痛いでしょう。勝機の無い馬を多数出走させても結果が出なければ逆効果になることは明白ですから、これだけ6月にモーリスをデビューさせるということは勝算や勝負気配は間違いなく高かったはずで「やっぱりモーリスは晩成ですね」で済む話ではありません。
評判馬の走りを何頭か見ましたがとにかくモッサリしている印象で、大物はいずれ出るでしょうがアベレージの高い種牡馬では無いかもしれませんね。
【近年の連対馬6頭】
意外と波乱の目もあるG1です。阪神内回り2200mという特殊なコースがそうさせていることは間違いないでしょう。東京や外回りと違ってスピードよりもパワーが要求されるコースで、どうしてもキレ負けしやすいようなタイプが好走率を上げています。昨年はリスグラシューが圧勝。そのままコックスプレート→有馬記念を圧勝するという覚醒の瞬間を見ました。
気になるのは前年の暮れで香港を走った馬が好相性であること。サトノクラウンとリスグラシューは香港ヴァーズで連対していましたし、大穴を開けたワーザーも香港実績のある香港馬です。これは香港と宝塚記念の適性が似ていることを示唆します。今年は昨年の香港ヴァーズ覇者グローリーヴェイズが出走します。当然ぶっつけがどうかですが、ラッキーライラックやディアドラに圧勝したわけですから、状態さえまともなら勝ち負けになっておかしくないはずです。
マリアライトやミッキーロケットのような実績でやや劣りながら戴冠した馬の共通点としてはスタミナの裏付けがあったことが挙げられるでしょう。マリアライトは牡馬相手に有馬記念→日経賞→目黒記念と2500mを3連続好走して駒を進めてきていましたし、ミッキーロケットも天皇賞春0.2秒差の4着からの臨戦でした。今年で言えばスティッフェリオやブラストワンピースがスタミナ型に分類できそうな気がします。
【凡走した上位人気馬】
人気を集めながら(=客観的には買い要素があったにも関わらず)凡走した馬を見ていきます。
まずレイデオロとエタリオウについては宝塚記念以降も精彩を欠いた走りが続き、単に能力的にピークを過ぎていた可能性が否めません。サトノダイヤモンドもこのグループに入れて良いのかもしれません。
それよりもキタサンブラックやパフォーマプロミスといった「いかにも宝塚記念に向きそうなタイプ」が凡走していることが気になります。本来の走りではなかったとコメントが出ていて、見えない疲れがあったとしか推察できないんですよね。これが宝塚記念の難しさなんです。
【今年の上位人気馬】
サートゥルナーリアは金鯱賞を圧勝して臨むが、レースレベル自体は平凡だった。この馬の持ち味は一瞬の機動力で、これはオリエンタルアートの息子たちにも見られたようなグランプリ向きの脚質と言える。
ラッキーライラックは石橋を降ろして一気に本格化の感がある。以前ほど前にはこだわらないし自在性が出てきた。ただ、同じ阪神内回りにも関わらず大阪杯好走組は不思議と勝ちきれない。昨年のキセキも2着を死守したものの、圧勝まであると思っていただけに終いの伸びには不満が残った。阪神内回りG1の連戦は相当にタフである可能性は否めない。
クロノジェネシスは大阪杯2着。現役屈指の実力馬であることは疑いようもないのだが、エリザベス女王杯、大阪杯でともに後塵を拝しているように人馬ともにラッキーライラックの下位互換である感がある。
ブラストワンピースは期待された大阪杯で大凡走。位置取りを敗因に挙げていたが、それにしてもである。2年連続の大阪杯凡走を見ても、阪神内回りへの適性が低いと感じるし、勝負がかりは間違いなく前走であったはずでここは半信半疑。
【注目馬】
★グローリーヴェイズ