地方馬主の条件

 「馬主は金がかかる」と言っても細かく見ていくと、経済的負担が大きな順に【中央馬主(競走馬個人所有)】>>>【中央馬主(競走馬共同所有)】≧【地方馬主(競走馬個人所有)】>>【地方馬主(競走馬共同所有)】≧【一口馬主(厳密には馬主ではない)】となっています。

 つまり「馬主」と言っても競走馬を個人所有している中央馬主と、競走馬を共同所有している地方馬主とでは、経済的負担の観点から雲泥の差があります。後者に関しては、一口馬主に毛が生えたようなもので、サンデーなどの40口クラブで出資している人はもちろん、キャロットやシルクなどの400-500口クラブでも多頭数に出資している人であれば経済的な負担はそう大きく変わらないと思います。

 ただ、ハードルが意外に低いとは言え地方馬に出資して面白いのか?という疑問が生じると思います。競走馬のレベルが中央>地方であることは明白ですし、そもそも僕自身は地方の調教師や騎手にも明るくなく、さらに言えばA、B、Cといったクラス分けの仕組みも良く分かっていません。この状態でどこまで楽しめるか…そういった地方競馬素人目線の情報を発信していけたらと思います。もちろん経済的な側面も発信していきます。

 ちなみに僕は地方所属の1歳馬3頭(共同出資2頭+キャロット地方所属馬1頭)に出資しています。この世代が地方競馬への船出になりますね。

【個人馬主資格の経済的要件】

*中央
1.直近2年連続で年収1700万円以上(額面でなく手取り)
2.資産7500万円以上

*地方
1.直近1年の年収500万円以上(額面でなく手取り)
2.資産の制約は無し

 馬主資格の審査基準ですが、緩和されたとは言え中央馬主の基準は依然として非常に高いものになっています。馬主資格を取得することはゴールではなく、競走馬に出資することまで見据えての経済的審査基準ですから仕方ありません。一方、地方馬主の基準は低いとは言いませんが、中央馬主の基準に比べると遥かに低いと言えるでしょう。競馬を趣味とするサラリーマンが多数取得しているのも頷けます。

 しかし、実は地方馬主登録申請最大の障壁は経済的要件ではありません。
 それは申請書類一式の準備です。

 これらを揃えるのが非常に厄介で面倒です。いわゆる役所手続きが多いですね。
 逆にこれさえクリアできれば地方馬主登録は決して高いハードルでは無いのです。ちなみに書類提出から登録までの期間ですが、僕の場合は年度替わりの4月に書類を提出し、7月末に登録を受けました。書類受付自体は随時ですが、登録自体は年5回の馬主審査委員会を経て行われます。4,5ヶ月かかると思っておけば間違いなさそうです。

 なお、全ての手続きを自分で進めることも可能ですが、例えば社台グループのような大手のセラーは登録のお手伝いを無料でやってくれます。もちろん必ず社台の馬を買わなければならないというわけではありませんのでありがたく助けを借りるのがオススメです。

 最後に、公務員は馬主になれるのか?ということについても触れておきましょう。

 僕は医者で、勤務状況によっては公務員に該当するため上記の通達が来ました。
 この主旨は「一応職場に確認してね」というもので、特に「公務員だったら認可しないよ」というものではありませんでした。実際この通達は特に返事を求めるものではなく、その後も滞りなく馬主登録まで完了しました。

 ちなみに馬主は馬券を買えます。また、有料で予想を販売する者は馬主になれません。


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