凱旋門賞に思う

今年も凱旋門賞が終わった。
日本馬は戦前から空気のような存在であったが、この少数頭に3頭出しできていることが奇跡を起こすかもしれないと微かな想いを抱いていた。しかし結果は御存知の通り惨敗と言ってよいものであった。

常に言われてきたことだが、欧州と日本の馬場は違いすぎる。それは求められる適性が異なることを意味し、日本馬にとって欧州G1が鬼門であるのと同様に、欧州馬にとって日本G1は鬼門であるはずだ。簡単に言えば日本はスピードが、欧州はスタミナがより強く求められる。

しかしパワー型を連れていけば良いという単純な話でもないようだ。オールウェザーのドバイを制するヴィクトワールピサや、パワー型の一流馬と言えるゴールドシップが惨敗している。もちろん単に実力が足りなかった可能性はあるが、少なくともこの2頭はナカヤマフェスタと遜色ない(むしろ国内実績は勝る)と判断できる馬であるし、ここに「凱旋門賞適性」の有無が見え隠れしている。これを日本での実績から判断することは極めて難しいのだろう。


ただ、1つ言えることがある。
それは「本気で凱旋門賞を勝ちたいならば、前哨戦から現地入りすべきだ」ということである。適性の有無を探ることもできるし、環境への慣れも見込める。前哨戦での走りを見て、調教で工夫できる点が見つかるかもしれない。ディアドラの快挙は、海外転戦を続けるうちに人馬ともに成長し欧州に適応していった面も大きいと考えている。

前哨戦を使わない挑戦は本当に理解に苦しむ。今年ではフィエールマンとブラストワンピースが該当するが、ともに一口クラブ馬だ。欧州遠征費用は会員が負担することになる。ネットで見かけた情報によればフィエールマンの凱旋門賞遠征費用は1口あたり35万円ほどになるようだ。僕もハープスターの遠征費用を負担した身だが、国内でローズS→秋華賞→エリザベス女王杯と走ることで稼げたであろう賞金を考えれば、大損をこいているという見方もできる。前哨戦から欧州滞在となれば、さらに会員の金銭的な負担は増えるだろう。

しかし、である。中途半端な臨戦過程をとって凱旋門賞出走をただの記念とすることに何の意味があるだろう。「洋芝は欧州っぽいぞ…」と札幌記念をステップにしたところで全く結果が出ていない。クラブ側も本気で勝ちたいなら遠征補助金なりを捻出して(好走したら一部還元でも良い。誰も出資者は文句を言わないだろう)、積極的に前哨戦からの欧州滞在を先導して欲しいと思う。

「もう凱旋門賞挑戦をやめたら」「日本馬には向いていない」という声が毎年噴出するが、僕はあの歴史ある凱旋門賞を、日本馬が海を渡り制する日をいつか見たいと強く思う。それだけに中途半端とも思える挑戦を続けることに疑問を感じるのは僕だけだろうか…

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