以前見かけた一口馬主に関する記事で確かに…と思わせられたものがあります。
発言の主は馬主だったか調教師だったか忘れましたが、主旨はこう。
「一口馬主最大のメリットは、有能な調教師に預けられることだ」
なるほど確かにその通り。
仮に中央馬主資格を取得しても、いきなり名門厩舎に預けられるはずがないのです。名門であれば空きも少ないでしょうし、新参者が安馬をポンと預けられるはずもなく、そこがゲームと大きく異なる点です。
しかし一口馬主ならば名門厩舎に預けることができます。確かにこれは大きなメリットとして享受すべきポイントです。実際にサンデーサラブレッドクラブなどでは中央馬主資格を持った人も、一口出資者に名を連ねていると聞きます。自分では買えない(買えてもリスクが高すぎる)超高額馬に出資できることもメリットですが、それ以上にリーディング上位厩舎に愛馬を任せられるメリットが大きいのかもしれません。
裏を返せば、一口馬主を楽しむからには調教師という要素をスルーすべきではないということです。僕もかれこれ10年近く一口馬主をやっていますが「調教師に目をつぶって出資を決断しても、結局フラストレーションがたまることが多い」と感じています。
また、調教師は主戦騎手にも関わってきます。厩舎ごとにコネクトの強い騎手がいますから、三流厩舎ではよほど強い馬でない限り三流騎手に乗られ続けるだけです。
一口馬主界隈で良く名前のあがる敬遠される厩舎(いわゆるNG厩舎)トップ3が、池添学、木村哲也、大竹正博です。もちろんこのような評価の土俵にも上がらないような三流厩舎はたくさんありますが、この3名は比較的いい馬を預かっているのに結果が…という印象を持たれています。僕も3人すべてに出資しましたが、池添学はNG確定、木村哲はほぼNG、大竹正博はOKという印象を抱いています。
池添師にはアストライア(4戦0勝)でお世話になりました。
「良血馬の墓場」「池添学ばない」などと言われていますが、忘れてはならないのが良血馬や高額馬が必ずしも走るわけではないという当然の事実です。アストライアもはっきり言って、7000万円もの募集総額には到底見合わないほどの低い競走能力であったことは間違いありません。だから勝ち上がれなかったこと自体は池添師のせいでは無いと思っています。しかし一連の使い方は不信感を抱かせるには充分なものでしたね。
*謎の仕上がり途上でデビューし大敗→2戦目が3歳5月になる
*依頼していたはずの減量騎手に断られ、急遽三流騎手になる
*初の1200mへ挑戦→輸送でテンション上がり出遅れ、追走にも手一杯で12適性を到底感じさせず大敗→そのまま引退
特に最終戦は、今までこの馬の何を見ていたのか?と思わずにはいられないお粗末なラストランでした。
木村師にはヴォレダンルシエル(6戦0勝)でお世話になりました。
ヴォレダンルシエルも競走能力が低く、他であれば勝ち上がれたなどと言うつもりはありません。しかし6戦して、すべて異なる騎手というのはいかがなものか。新馬を勝ち上がらせるにあたって多少の教育的継続騎乗を見せて欲しかったというのが本音です。
大竹師にはジェベルムーサ(24戦7勝)でお世話になりました。
ジェベルは体質が弱く、デビューも芝で下ろせずにダートデビューとなりました。煮え切らない使い方だなと感じたこともありますが、タキオンの超大型馬という脚元に不安を抱えたジェベルが重賞を勝てたのは、間違いなく獣医学部上がりである大竹師の細やかな配慮の賜物だと思っています。僕は大竹師には全く不満がありませんね。
ただ、これらはあくまで個人的な感想です。実際に木村師に好感をもっている出資者も見かけたことがあります。出資馬の戦績に紐付いて、良いイメージ、悪いイメージがつくことももちろんあるでしょう。しかし僕の場合は、池添学師と木村哲師はちょっと敬遠したいです。単に勝ち上がれなかったからではなく(実際、他にも勝ち上がれなかった馬は複数います)、他の調教師よりも扱いが雑で無計画に感じてしまうのです。
一口馬主は決して安い買い物ではありませんし、出資馬とは数年に渡って付き合うことになります。出来る限り後悔のないように、妥協のないように、出資を決断していきたいですね。